カンタービレ東広島では、メトロノームは、音階などのスピード練習に用い、原則として曲と合わせては用いません。
メトロノームの長所は、ズバリ客観的に速度を教えてくれること、短所は、あまりにも機械的で、人間のように速度の微妙な変化も感じてくれないし、人間のように息もしてくれないということです。
そこで、カンタービレ東広島では、メトロノームの長所を生かしつつ、短所のマイナスの影響を受けないように、メトロノームを使用します。
例えば、音階練習でスピードを上げるには、自分で上げたつもりでも、実は全く上げていないでスピードの練習になっていないことが多々あります。自分の感覚はそれほど主体的なことが多いのです。ですから、客観的に測れるメトロノームを利用して、指回りの速度を確実に上げていきます。曲のスピードを上げるときにも使用しますが、それはあくまで、曲のスピードを上げるために、弾く前のカウントで使用するのであって、曲とともに合わせることは原則致しません。先ほども述べたように、メトロノームは生徒の微妙な速度の揺れや息使いに合わせて正確なテンポを示すことができないので、機械的な演奏になってしまうからです。
それではどうやって曲の一定のテンポを保つ練習をするのか気になりますよね。
そこで、機械ではない人間である教師の出番です。教師が正確なテンポを手で叩くことにより示します。曲の持っている情緒を損なわないように人間である教師は、手でたたくことによって、生徒の情緒や息使いを損ねることなく、一定のテンポを示すことができます。言うまでもありませんが、それは生徒が曲のテンポを一定に保つ力が備わるまで、続けられます。
したがって、メトロノームはスピードアップの練習を確実にするため、尺度として用いますが、情緒豊かな演奏を妨げ機械的な演奏にならないように、曲と合わせて用いることは原則致しません。 |